【大阪】2020年 真夏の西成

とうとうやってまいりました。西成は、昨今沢山のYouTuberが動画投稿を行っているイメージでもある。個人的にお気に入りなのは、丸山ゴンサレスさんの裏社会ジャーニー、Googleストリートビューで訪ねるあいりん地区です。大変ディープです。

この有名な横断幕を見た瞬間、「おお西成に来たのだな」と心の中で呟いた。

この一角に足を踏み入れると、空気がフッと変わったのがわかった。
いや、気温はうだるような暑さなんだけども。

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さて、私は今回記事にするかどうか迷った。私はコミュ力が低いので、現地の人と喋ったりする訳でも飲食する訳でもなく、現在の状況・周辺も含めて、「どんな雰囲気なのか歩いてみたかっただけ」という、完全に野次馬、大変な迷惑者なので…

あいりん労働福祉センター
2019年4月24日に閉鎖されて以降、シャッターが閉まっている。

周辺をそっと1周してみる。
シャッター沿いに停まった車の中で寝ている人、お家を作って寝ている人がボチボチいらっしゃる。別の車は、フロントガラスに求人情報をびっしり貼り付けて停車している。

物凄い暑さでエアコンなどない外の為か、寝ている方々は日陰を選んでいるもののぐったりしている…まあそうなるよね…

色々振り切っている上半身裸のロン毛のおじさん(?)がおり、自分の周辺に壊れた椅子や家具を撒き散らしながら、何か叫んでいた。照りつける太陽で真っ赤に日焼けしているが、肥満でも貧相でもなく大変素敵な筋肉をしており、暮らしぶりが伺える。

一番涼しそうなのはこのデモをしているっぽいバスであった。

あいりん労働福祉センター周辺の注意事項に、「たき火」「酒盛り」禁止が記載されており、西成っぽいなあと思う。

この頃、ちょうど10万円の給付金の申し込みが間も無く終了する時期であった。
野宿してても給付金て色々手続きすれば貰えるんだなあ。
こういうのって、こうやって教えてもらわないと諦めちゃう人多いよね。
税金払ってないんだから貰うなという意見もあるかもしれませんが、そんなものいらねえよという人もいるかもしれませんが、それでも「もらいましょう」と書いている釜ヶ崎の労働組合、反失業連絡会の皆様の懐の広さよ。

おお…株式会社 ち…(*´-`)

少し周辺をさらに歩いてみる。

エリアの中央部に「萩之茶屋北公園」があり、中にも外にもこうしてたくさんの拾われてきたと思われる椅子やテーブルが置かれている。酷暑なのであまり人はいないが、ここで皆さん歓談したり麻雀とかしたりするのかな〜

少し住んでる人もいるのだろうか

西成の自販機って、確かにちょっとお安い!缶コーヒー50円とかなら良いねえ

お弁当やお菓子を売っている商店もやはりお安い(=´∀`)

ここは有名な「ホルモン やまき」
街中は暑くてあまり人がいなかったが、ここはこんなご時世でも大変混雑しており、沢山の人がお酒飲んでホルモンを楽しんでいた。
少し…チャレンジしてみようかな?と思っていたが、こんなに混んでて地元の人同士の空気が出来上がっていたので諦めました。

すごいわ。普通の街中にある公共施設でもないコインロッカーが100円ですってよ。

おお…そうなんだ…( ;´Д`)

出ました。有名な西成の「男の美学」

こうやってみると、人生ってあっという間だね。
その短い一瞬の中でどう生きるかだよね。

こことっても立ちションしやすいゾーンだったのかな苦笑。
鳥居のイラスト貼ると確かに罪悪感湧いてしにくいよね。
効果あるのかな

空き缶集めや新聞拾おうとゴミを漁るのを防止する為の張り紙( ;´Д`)

青空市っぽいような大変開放感のあるお店もいくつかあった。
東南アジアで沢山見かけたなぁと懐かしくなる。

西成にはちょっと変わった親しみやすい名前のお店が沢山ある。

そしてやたらとアメリカかぶれの名前が付いた宿泊施設に時代を感じる。
昭和で時が止まってるみたい。

「日本で唯一暴動が起きる街」ということで、四方が高いフェンスで囲まれた西成警察署。
わおー

(Wikipedia 参照)
現在の庁舎は1995年(平成7年)8月に完成したが、その物々しい外観・頑健なつくりから「要塞」と形容されることがある。管轄内の釜ヶ崎(あいりん地区)では、日雇い労働者などによる暴動がしばしば起こることから、西成署は周囲を高い柵や鉄格子で取り囲み、門は鉄製で常に警杖を保持した警察官が門番に立ち、警備を固めている。

こちら大変有名な大阪の激安スーパー「玉出」。
中に入ってみたが、確かにお安めだったけど、「目ん玉飛び出る程やすっ!!!」とまではいかず。私普段結構質素に安いモンで生きてるしな…
「1円商品」とかもあるけど、「◯◯円以上お買い上げで」などの条件付き。地元在住で沢山買い物する人には良いねえ(´∀`=)

お惣菜コーナーも大変お安いが、唐揚げ!チキンステーキ!とかはあまりなく、「魚の煮付け」系が多い。な…なんの魚だろう…どちらの深海魚さんだろう…
西成で日雇いで暮らす方々の高齢化の話を聞くので、もしかしたら肉系とかよりも魚の方が人気なのかもしれません。

スーパー玉出のある大きい交差点を渡ると「新今宮駅」「動物園前駅」から伸びる長い商店街がある。
ウリをわかっているようで、「ディープ大阪ストリート」の上りがバシバシ立っている。
この周辺のさらに東側、天王寺方面側に「飛田新地」がある。

この商店街の中程にも「玉出 今池店」があり、交差点にあるものより大きい。
しかしながら派手だなあ。
この黄色・赤・レインボー。ちょっとレトロなひまわり。もうこれパチンコ屋よ。

自転車置き場にある、この顔付きのお花とゴリラの明るい巨大なイラスト。
アッパーしてるねぇ頭おかしくなりそう。

この通りを歩いていると、荒井由美の「あの日に帰りたい」が流れてきた。

襲いくるノスタルジー

人通りも少なくなり、シャッターが下りている店も多くなってくる。
所々開いているらしいスナックから、楽しそうな昭和歌謡のカラオケの音が漏れ出ている。

暑い日差しから少し逃れて、日陰の商店街をトボトボと歩く。

すごく懐かしい、切ない気分になって、昔のこととか思い出して、ちょっと疲れちゃったなぁと思ったりして。競争に疲れて、もう頑張れなくなって、色々諦めたあとは、こういう所で穏やかに暮らすのって良いなあって思った。
この周辺は、競争から離脱した優しい諦めと安堵が漂っていて沈んでしまいそう。
ここではガムシャラに必死にならなくても、責められることはないような気がする。必死で仕事することや昇進、人と比べて持ってる持ってないで苦しむ感情、振り落とされないようにしがみつくストレス、愛想笑い、米中関係や国のトップが変わることすら、ここではもう関係ない、意味をなさない世界に思えた。

すいません、勝手な私の印象なんですけども。

なんか色々すごい衣料品店。つい読んじゃう。

ここにあの市橋達也とかもいたのか〜と考えると変な感じになる。
西成にいると飲み込まれそう。ここまで街全体が出来上がっていると、人1人増えてもすぐ染まるし、隠れたければ同化できるし、誰も過去のことは聞いてこない。

訪問時は真夏だったから、余計にぼんやりして白昼夢みたいだった。

こういう光景も東南アジアで沢山見たなあ。
古びたビル、トタン、手すりに大量の洗濯物。

ところで、あいりん労働福祉センターの向かいの通りにあるこの中々に強烈な建物。

一気に視線が釘付けになる。
怪しさMAAAAXXX
( ;´Д`)
これはどういう…?

後で調べたところ、ちゃんとしたキリスト教の教会らしい。
すみませんでした。
ドアが開いていたら普通に入ってOKらしい。
何の前知識もなくビビってしまい、中まで入らなかったことが悔やまれる。

日本ペンテコステ教団
どうやらプロテスタント系らしいよ。

https://ja.wikipedia.org/wiki/日本ペンテコステ教団

通りに面した場所にはテレビがはめ込まれているが、画面には何も映っていない。

色々な文言やイラストが書かれており、ついつい読んじゃう…

しかしながら強烈なビジュアルだ。

色んな問題から救ってくれるといいな

この西成周辺は一本道路を挟むだけで、こんなオシャレな新しい綺麗な建物もある。
新世界や通天閣が近く、立地がものすごくいい。
近年は外国人バックパッカー向けの安宿も多くなっている。

東京の山谷や神奈川の寿町の雰囲気を知らないのでアレなんだけど…西成って「治安悪化が常態化してる」といえど、大阪独特なのか、どこか懐かしさのような、遠い昔に感じたような不思議な雰囲気があった。私は今回フラッと歩いただけで、住んでいる人と話したりした訳ではないんだけどね。

<アクセス>

「新今宮駅」から「今池駅」あたりのエリア一帯。
スーパー玉出天下茶屋店、西成警察署など、ギッチリ密集した濃いディープな場所である。